Q&A集:糖尿病患者は心筋梗塞の痛みを感じない?(無痛性心筋梗塞)


question糖尿病患者は心筋梗塞の痛みを感じない?(無痛性心筋梗塞)


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ドクター心筋梗塞は激しい胸痛発作を伴いますが、糖尿病で自律神経障害がある場合は、痛みがまったく現れない無痛性心筋梗塞となるケースがあります。無痛性心筋梗塞は、糖尿病の合併症の中で最も致命的なものです。

普通は心筋が虚血状態に陥ると、心筋の痛みが交感神経を伝わり脳に送られますが、糖尿病によって交感神経が障害されていると痛みが脳に伝わらず無痛性となります。痛みがないので呼吸困難になって気づいたり、突然倒れたりして気づくケースが多く、処置が遅れがちになります。
図解-心臓


糖尿病患者以外でも他の理由で無痛性心筋梗塞を起こしますが、糖尿病患者はそうでない人に比べ無痛性心筋梗塞の発生頻度が4倍ぐらい高くなります。

心筋梗塞は発症から治療までの時間で予後がきまるので、無痛性心筋梗塞が疑われる場合は、急いで救急車を呼ぶなりして、直ちに病院で処置を受ける必要があります。その際に糖尿病患者であることを伝える必要があるので、外出先で一人で倒れた場合などに備え糖尿病カードは常に携帯しておきましょう。

このようなリスクを減らすために、定期的に心臓の検査を受けて虚血性疾患、心不全の早期発見を心がけて下さい。日常生活では、高血糖、高血圧、高脂血症、肥満を是正することが心筋梗塞の予防につながります。また喫煙者は禁煙することをお勧めします。



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