Q&A集:糖尿病と白内障は関係ありますか?


question糖尿病と白内障は関係ありますか?


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ドクター白内障(はくないしょう)とは、本来透明であるべき水晶体に濁りができた状態をいいます。白内障には、生まれつき水晶体に濁りがある先天性白内障と加齢的なものがありますが、原因として多いのが後者の加齢によるもので、一般に加齢性白内障(老人性白内障)と呼ばれています。

白内障は早い人では40代から発症し、80代ではぼぼ全員に白内障が発見されます。糖尿病があると年齢が若くても白内障が誘発されやすい傾向があります。(糖尿病性白内障)また、糖尿病網膜症に加齢性白内障を併発している場合もあります。
図解-眼球の構造


加齢性白内障(老人性白内障)の手術
白内障で濁ってしまった水晶体を薬で元の状態に戻すことはできないので、濁った水晶体を取り出し、眼内レンズを挿入する手術が一般的に行われます。白内障の手術は年々進歩しており、今では目薬のみの麻酔で日帰り手術も可能になっています。

糖尿病がある場合の白内障手術
糖尿病あっても白内障の手術は可能ですが、通常の加齢性白内障の手術より難易度が高くなります。血糖コントロールが悪く、糖尿病網膜症を併発している場合などは、術後に網膜症が悪化するなど合併症の危険が増し、視力の改善も不良になる可能性があります。そのため血糖コントロールが良好になるまで(目安として空腹時血糖値140mg/dl・HbA1c7%以下)手術を見合わせることもあります。ただ、手術前に血糖値を急激に下げると網膜症や黄斑浮腫を悪化させることが分かっているので注意が必要です。

最近では白内障手術の進歩により血糖値が高い状態で手術を実施しても経過にほとんど影響がないという報告もあります。いずれにせよ、良好なコンディションで手術を受けるのが一番なので、他の合併症を進めないためも、日頃から血糖コントロールは良好に保つよう努力しましょう。



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