Q&A集:糖尿病網膜症とは?


question糖尿病網膜症とは?


answer
ドクター.網膜には眼球に酸素や栄養素を運ぶ、細小血管が張りめぐらされていますが、高血糖状態が長く続くと、この細小血管が傷んで、毛細血管瘤や小さな出血(点状・斑状出血)が網膜にできるようになります。また、蛋白質や脂肪が血管から漏れ出て網膜にシミ(白斑)を形成することもあります。この状態を単純網膜症といいます。この段階では自覚症状はほとんどありません。

2.単純網膜症が進むと、網膜の血管が広い範囲で閉塞して十分な酸素が行き渡らなくなります。そこで足りなくなった酸素を供給するために新しい血管(新生血管)を作り出す準備を始めます。この状態を前増殖性網膜症といいます。まだ自覚症状はほとんどありません。
眼球の構造
3.前増殖性網膜症がさらに進むと、新生血管が網膜や硝子体に向かって伸びてきます。新生血管は非常に脆く破れやすいので牽引性網膜剥離や硝子体出血などを起こすことがあります。この状態を増殖網膜症といいます。急な視力低下や見える範囲が狭くなるなどの自覚症状が現れます。

糖尿病網膜症のまとめ
糖尿病網膜症は、単純網膜症⇒前増殖網膜症⇒増殖網膜症の3段階に分かれ、進行するほど失明の危険性が高くなります。成人の失明原因の第1位は、この糖尿病性網膜症と言われています。血糖のコントロールに加えて、定期的に眼科検診を行うことが大切です。



ナビゲーション