一度悪くなった腎臓は元の状態に戻りますか?
臓(じんぞう)は、老廃物をろ過する大切な臓器です。高血糖の状態が長く続き、糖尿病腎症が進むと、腎臓の血管が硬くなって老廃物をこす膜が粗くなり、タンパク質が常に尿中に漏れる状態になります。
そのため血液中のタンパク質が不足し、体の中の水分が溜まり、むくみの症状がでます。さらに進行すると腎不全となり、尿が出にくくなり、老廃物が体の中に回り尿毒症引き起こし、やがて人工透析が必要になります。
腎臓が元の状態に戻るかどうかは、腎機能の悪化の程度によって決まります。
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第1期(腎症前期)
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第2期(早期腎症期)
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第3期A(顕性腎症前期)
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第3期B(顕性腎症後期)
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第4期(腎不全期)
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第5期(透析療法期)
糖尿病食などで血糖コントロールを行い、
腎臓が健康な状態に戻る可能性があるのは、第2期(早期腎症期)までです。第3期A(顕性腎症前期)からは、血糖コントロールを行っても腎機能の低下は進行してしまいます。しかしながら、タンパク質、塩分、血糖、血圧のコントロールを行うことで腎機能の低下を遅らせることは可能です。
腎機能が低下している期間が長ければ長いほど腎臓が健康な状態に戻る可能性は低下してしまいます。また、血糖コントロールが悪いと糖尿病腎症の発症率が高くなるので、日頃からの血糖コントロールが大切です。