人工甘味料なら多めに摂っても問題ありませんか?
人工甘味料は砂糖の摂取量を減らすひとつの手段で、適切に使えば糖尿病の食事療法に有効です。
ただ、カロリーの無い甘味というのも考えもので、多用すると甘みに鈍感になり、お菓子やケーキなど他の甘いものを食べても物足りなくなり、多く摂り過ぎてしまう恐れもあります。また、人工甘味料を砂糖と同じように摂ると太りやすくなるという動物実験もあります。人工甘味料が体に与える影響に関しては、まだ分からないことも多く、カロリーが無いからといって大量に摂取するのはやめたほうがいいでしょう。
追記
2014年9月17日にイスラエルの研究チームが英科学誌ネイチャー電子版に人工甘味料の問題点を指摘しました。約380人を対象とした調査によると、人工甘味料(サッカリン、スクラロース、アスパルテーム)を多く摂取する人は摂取しない人に比べ、体重や腹囲の増加に加え、血糖値や糖尿病に関係する血液指標の上昇がみられるのを確認した。少人数のグループやマウス実験で詳しく調べたところ、人工甘味料の摂取量が多いと消化や代謝に関わるさまざまな腸内細菌のバランスが変化し、血糖値が下がりにくくなり、糖尿病と似た状態になることが分かったそうです。
人工甘味料の特徴と問題点
人工甘味料 | 甘さ/砂糖 | 特徴 |
アスパルテーム | 150~200倍 | 特有の後味がある。酸には弱く、炭酸飲料の中などでは次第に味がなくなる。 |
アセスルファムK | 200倍 | 少し苦味がある。熱や酸に強く、炭酸飲料から焼き菓子まで使われている。 |
サッカリン | 300~400倍 | 1960年代に発がん性が疑われたが否定された。日本では食品衛生法により使用量が制限されている。 |
スクラロース | 600倍 | 味は砂糖とよく似ている。熱や酸に強く、炭酸飲料から焼き菓子まで使われている。 |
チクロ | 30倍 | 後味がわずかに苦い。かつて日本では貴重な甘みとして広く使われていたが、発がん性が指摘され1969年に使用禁止となる。 |